ライター・管理栄養士 御澤 栄輔
あなたが秋の訪れを感じる瞬間はどんな時ですか?
私はずばり新米をいただく時。つやつや炊き立てご飯に梅干しがあれば大満足です。
日本人って本当にお米が好きですよね。
そこで今回は、お米について…と言っても白米のお話ではなく、「こめ油」についてのお話です。
生まれは江戸、最初は薬?
日本では昔から日本酒や麹、味噌などお米を様々な形に変えて食してきましたがこめ油が活用されたのは江戸時代。当時は食品ではなく薬や美容素材、化粧落としなどに利用されていたそうです。
一合の米からできるこめ油の量は約二gと大変希少なため、食用として大量生産されはじめたのは実は最近の話です。現在研究が進み、オリーブ油やゴマ油に負けず、健康効果が高いことが解ってきました。
サビない体で若々しく
注目したいのは抗酸化作用。
体の中では酸化が起こると、高血圧やお肌の老化などの原因になる体のサビを発生します。そこで体が酸化する身代わりになってくれるのがこめ油に含まれる抗酸化物質のビタミンEです。なかでもスーパービタミンEとも言われるトコトリエノールが多く含まれているのがこめ油の特徴です。
これはオリーブ油にもごま油にも含まれておらず、美容や健康維持のサポートに欠かせない成分なのです。
お米のような白い肌
そしてもう一つ、こめ油特有の成分がγ(ガンマ)―オリザノールです。食すことで高脂血症などの疾病予防にもなりますが、それ以上に注目したいのが肌のくすみを抑える効果があること。シミの原因でもあるメラニンを抑え、血行をよくしたり、新陳代謝を助けてくれます。これは直接肌につけたほうがより効果的だそうです。江戸時代の女性が米ぬかを洗顔に使用していたのは、この美白効果を肌で感じていたのかもしれませんね。
料理の腕前もサポート!?
では気になるこめ油のお味は・・・と言うと、他の油に比べてにおいが少ないく、さらっとした軽い口当たりです。素材の味を邪魔せず、揚げ物も軽く揚がるのでぴったり。胃がもたれやすい方、油を極力控えたい方はぜひ一度お試し下さいね。
油は美容にも健康にも必要な栄養素です。でも量を増やせばカロリーも多くなるし、どうせ摂るなら質のいいものを選びたいですよね。
毎日使うものですし、油選びを意識して、この食欲の秋を堪能して下さいね。