ライター・いしずか久見子

湿度の高い日本の夏。一気に汗の量が増え、肌のべたつきやにおいが気になるシーズンでもあります。

この時季を少しでも快適に過ごす工夫の1つとして、今回は肌をさらりと快適に導いてくれる夏の服の素材選びについてお話したいと思います。

夏になると、ファッションのフロアや寝具売り場では、コットン(綿)やリネン(麻)といった素材をよく目にしますよね。とくに、ナチュラルな雰囲気で洗うほどに風合いが増すリネンの服は、ここ数年でどんどん人気が増しています。

見た目もさらりと涼やかで、汗をかいた時の不快感を和らげてくれるリネン。
天然素材の中でもコットンやリネンは風通しが良く、肌当たりのやさしさが魅力です
ただしコット ンは吸湿性の良さと同時にやや保温性もあり、どちらかといえば春向き。   

リネンはコットンの約4倍、シルクの約10 倍の吸湿性があるといわれており、まさに夏向きの素材です。
吸い取った水分を素早く外に蒸散、カビや雑菌の繁殖を抑えてくれます。

 一方、ポリエステルのような化学繊維は、汗が蒸散しにくく蒸れやすい傾向にあります。つまり、汗に含まれていた塩分やミネラル分が肌に残り、ベタつきを感じやすくなります。また、汗とともに排出された皮脂やたんぱく質が、臭いの原因となることも。

 もちろん化学繊維の世界は日進月歩なので、最近では優れた吸湿速乾性で肌をドライに保つ新素材がインナーウェアやスポーツウェ アに使われています。
しかしなが ら、化学繊維は静電気を溜めやすいことや、化学繊維アレルギーが出てしまうケース、長期的に接触した際の環境ホルモンの影響などが懸念されています。

肌がデリケートだったり、夏場は汗疹が出やすい方には、コットンやリネンでのおしゃれをおすすめしたいところです。

「リネンの服って、これまで馴染みがなくて … 」という方は、ストールを1本持 つことからはじめてみてくださ い。

日差しが急に強くなった時、 首や肩にさっとかければ日焼けを軽減、汗をすぐに吸収して蒸散してくれます。室内では、冷房による寒さ対策として使うこともできます。

蒸れにくい素材なので、レジャー先では頭にターバンのように巻いても素敵。
汗ばむ肌にくっつきにくい、リネン独特のシャリ感のある肌ざわりに慣れたら、次はトップスやボトムス、ワンピースを。
夏のおしゃれの快適度がぐんと上がると思いますよ。