ライター・神津まり江

日に日に緑が色濃くなり、自然の中の散策が気持ちいい季節がやってきました。

我が家の小さな庭も緑に覆われ、ちょっとしたハーブ畑のよう。
ローズマ リーにラベンダー、ペパーミントにレモンバーム(メリッサ)、ゼラニウムなどなど、春先からぐんぐん育ち、その旺盛な生命力を目にするだけで心が和み、元気をもらえます。

ハーブはもともと繁殖力の強い丈夫な野草ですから、土と気候が合っていればほとんどお手入れは要りません。それでいて見て、香って、お料理や飲み物の風味を豊かにしてくれてと、毎日の暮らしにたくさんの楽しみをもたらしてくれます。

ベランダしかなくても、窓辺やキッチンでも日中明るい場所なら鉢植えで十分育てられますから、みなさんもよく使うお好きなハーブを育ててみてはいかがでしょうか。

私のおすすめはローズマリーペパーミント、それからバジル。

清涼な香りが頭をすっきりとさせ、どれも消化器系のサポーターになり、強壮剤にもなってくれます。暑くなってくると避けられない、疲労感や食欲不振といった症状も、この3つのハーブがあるとちょっと安心。

ハーブは気負わず日常的、習慣的に楽しみたいものなので、使い方はシンプルがいちばん。

例えばガラスの水差しにお水と一緒に入れ、すっきりとしたハーブウォーターにして日中の水分補給に。

ローズマリーはグリル料理に最適で、とくにチキンや魚、夏 野菜と相性ばつぐん。
並べた食材の上に好みの量を枝ごとポンポンとのせ、オリーブオイルをかけてオーブンに入れるだけで気分は南仏ニースかプロヴァンス。

βカロチンも たっぷり含むバジルはイタリアンやタイ風のお料理に、野菜感覚でたっぷりと。

ペパーミントはお仕事前のやる気アップ、食後の胃腸ケアにフレッシュハーブティーとしていただきます。細胞壁を壊し、香りを立ちやすくするために手のひらで一度パンっと叩いてから使うのがちょっとしたポイントです。

使い切らない分は乾燥して冷凍保存しておけば、好きなときにお茶やローション、入浴剤としても活用できます。

ふだんのお手入れはほぼ不要ですが、失敗なく楽しむためのコツが2つ。

①ヨーロッパと日本では土壌の性質が異なるので、ヨーロッパ原産のハーブを育てるときはそれ用の土を用意しましょう。

②また、葉が密になると息苦しく、弱ってしまうので、風通しのいい状態を保つようこまめに剪定しましょう。

これはつまり、ハーブに触れ、活用するほどハーブ自体の環境が心地よいものになり、成長を促すことにも繋がるってこと。なんだかおトクでうれしい循環です。

ひと鉢のハーブとともに、みなさんの暮らしがさらに豊かに、健やかなものになりますよ うに。