ライター・いしずか久見子
様々な花が咲くこの季節、道端でふと花の香りがすると、思わず立ち止まって深呼吸したくなります。
優しく香る自然の花の香りは心を和ませてくれますね。
今日は、心にそしてお肌にも寄り添ってくれる自然の香りのお話です。
ここ数年で、認知症治療への活用といった医療的なエビデンスが話題となるなど、あらためて全国的な注目が高まってきている精油。
世界的には、合成香料が登場するずっと以前から自然派化粧品の香りづけに用いられ、スキンケアをする際にふわりと香り立つ、精油の中のさまざまな芳香成分の働きが長い歴史の中で徐々に解明されてきました。
香りの働きは大きく2つに分かれます。
①嗅覚から脳への働きかけ
香りを嗅覚で感知すると、感情や本能を司る「大脳辺縁系」にダイレクトに伝わってメンタルにアプローチすると同時に、自律神経系の司令塔である「視床下部」にも信号が伝わることで体温やホルモンの分泌、免疫力などの体内のバランスにも関わります。
②肌からの働きかけ
精油に含まれる芳香成分は非常に分子が小さく、速やかに肌になじむ天然の化学成分です。
肌に対しては、本来持つすこやかなめぐりをサポートしたり、引き締め効果を期待できる成分などもあります。
但し、精油は濃縮されたものなので希釈して使うことが必須であり、化粧品の香りから楽しむことが、毎日できる手軽な方法といえます。
古くから女性に人気で、美容目的でも使われるローズや月桃の葉の芳香蒸留水は、精油を抽出する際にできる、芳香成分が微量に溶け込んだ美容水。
ローズは、明るく潤 いに満ちた肌に導き、優美な甘い香りは、女性らしさを大切にする心に寄り添います。
月桃は、優れた抗菌作用で肌荒れなどを防ぎ、ハリを向上してくれることで知られる植物です。
また、疲れやストレスで寝つきが悪い夜には、リラックスできる睡眠環境にふさわしい、ラベンダーの精油が配合されたクリームでのマッサージもおすすめです。