ライター・いしずか久見子
寒くなると、体温を逃さないよう反射的に体を縮める動きをしてしまいます。
また、デスクワーク、スマートフォンの多用、立ち仕事など、生活の中での動きの偏りと、このような冬場の体の緊張が重なると、次第にコリやむくみが進み、姿勢全体の 歪みに繋がります。
姿勢の歪みは、実際に骨が曲がって歪むわけではありません。筋肉がこわばり、骨格が引っ張られることで起こります。
筋肉のこわばりとは、筋肉を包んでいる筋膜が癒着した状態です。筋膜の癒着は早めにケアすれば解消が可能です。
しかし、そのままにしておくと関節などの可動域が徐々に小さくなり、急に体をひねった時に痛みが走ってぎっくり腰に!といった 可能性も高まります。
筋膜の癒着を解消するには、マッサージや、お風呂で体を温めてから行うストレッチなども有効です。ただし、もともとの自分の姿勢のクセを知った上で行うことが重要 です。
そうでないと、マッサージでほぐしても、日々ストレッチをしても、またすぐに同じ部位にコリを感じたり、歪みがなかなか是正されません。
姿勢の歪みには、次のような2大傾向があります。チェックの方法としては、両足をつけて普段どおりにすっと立ち、家族や友人に横から体全体の写真を撮ってもらうと確認しやすいです。
1つめの傾向 は、「猫背」です
両肩が内側に入り、首は前へ。首や肩、背中がコリやすく、デスクワークに従事する方に多い傾向です。腹筋や背筋が乏しいことで骨盤は後ろへ傾き、背中が丸くなる など、実年齢よりも老けて見えてしまう姿勢といえます。簡単にできる解消法としては、休憩時に両肩をゆっくり外 にまわす、両足で立ったらおヘソを縦に伸ばすように ぐーっと伸びをするストレッチなどが有効です。
2つめの傾向は、「反り腰」
この姿勢は、胸を張ってお尻を突き出す感じになるので一見すると姿勢がよく見えます。 ところが、この姿勢がクセになると腰椎に負担がかかり、腰痛がでやすくなります。骨盤は前へ傾き、腰への負担をかばうべく股関節、膝や足首で調整するうちに重心がブレて歪みを招きます。反り腰傾向の方は、座っていても立っていても「さあ、姿勢を正そう」という時に、まずは胸とお尻を突き出さない、骨盤をまっすぐ に保つ意識づけがおすすめの解消法です。
いかがでしたでしょうか。年齢を重ねるほど姿勢の美しさは凛とした印象、若々しさに直結します。コリや痛みが起こりやすい冬を快適に過ごすためにも、歪みをなくして体内の巡りを良くするためにも、肌と同じように時には姿勢も見直してみてくださいね。