ライター・管理栄養士 御澤 栄輔
暑くてジメジメした季節は菌が繁殖しやすく、6月~7月は食中毒の最盛期。発注件数は年間の60%を占めます。
一方で、体の調子を整えてくれる味噌や納豆の熟成が進むのもこの季節。同じ「菌」でも食中毒とは大違い。
今回は、発酵食品の秘密と魅力をご紹介。美味しく食べて、健康・キレイ作りをしましょう。
発酵食品、海外では腐ってる?
よく、納豆は腐って(=腐敗)るの?という疑問があります。
答えは〇・・・に近い✖。
実は「腐敗」と「発酵」は化学的なメカニズムは同じで、人にとって害か有益かという点だけの違いです。
わかりやすくすると、
腐敗・・・アンモニアや毒素を作りだす
発酵・・・ビタミン増加や、酵素を作りだす
ただ、腐敗と発酵の線引きはハッキリしていなくて、最終的には食文化に依存します。
例えば「くさや」。日本では珍味になりますが、外国では「腐ってる」と勘違いされることが多いようです。とっても美味しいのに残念です・・・。
世界が注目 健康食品
世界の中でも、すぐれた発酵技術を持つ日本。その理由は「梅雨」。
高温多湿で発酵微生物が多く生息する日本だからこそ、伝統食品として根付いたのです。今では「NATTO」や「MISO」は世界的にも認められた健康食品です。
ネバネバが命「納豆」
江戸時代には納豆売りが町を練り歩いたというくらい、日本庶民の味。「納豆菌」が作る酵素のナットウキナーゼは血管の詰まりを溶かしたり、長寿のためにもぴったり。
生きている「味噌」
大豆を発酵して作られる味噌は生きていて、日本には数十種類もあります。「こうじ菌」によって独特の風味が生まれ、高血圧や血管を丈夫にするレシチン、リノール酸も多く含みます。
この他にも、醤油や漬物、ヨーグルトなど発酵食品は身の回りに沢山あります。ぜひ食卓に1品取り入れてくださいね。
職人直伝…
《発酵味噌パワーでおいしく健康 みそドレッシング》
味噌職人さんに教えて頂いた味噌ドレッシング。芳醇な香りにさっぱりした味で、サラダはもちろん、温野菜にも。
【分量】2人前
・みそ(種類はお好みで) ・・・大さじ1
・しょうゆ ・・・大さじ2
・酢 ・・・大さじ2
・みりん ・・・大さじ1
・酒 ・・・大さじ1
・ごま油(オリーブオイルでも可)・・・大さじ1
【作り方】
みそをベースに少しづつ他の材料を加えながら混ぜるがけ。
※ポイント:味噌が濃く感じる場合は、お酢で整えましょう。
【調理例】
サラダ、温野菜、蒸し鶏、刺身にもぴったり。お好みで、レモンやかぼす、ごま、シソなどの薬味を加えても美味しいですよ。