秋は様々な農作物の収穫期ですね。「ヘチマ」もそのひとつ。
皆さん、ヘチマと聞いて、どんな用途を思い浮かべますか。へちまたわし?確かにそうですね。
でもヘチマと聞いて連想するもの、ぜひもうひとつ付け加えてほしいものがあります。
それは

◎日本の伝統的なスキンケア素材

という点。
昔から「美人水」と言われるほど、ヘチマ水って健康にも美容にもいいんです。

ということで、今回は、美人水「ヘチマ水」の美容的魅力について考えてみます。

愛用されて〇百年

そもそも、ヘチマ水はいつから使われていたのでしょうか。

ヘチマは室町時代に中国から日本に入ってきましたが、美容にも使えるものとして大々的に広まったのは江戸時代化粧水として、江戸城大奥の女中が使っていたという記録が残っています。当時はおしろいをはたく前に「化粧下地」として用いられていました。(だから「化粧水」と呼ばれるんですね)

江戸時代から愛用されていると言うと、なんとヘチマ水は四百年もの歴史。伝統があるということは、それだけ安全性が高い、ということです。そして使い勝手がよかったからこそ、こんなにも長く使われてきたのでしょう。

では、ヘチマ水が愛されてきた理由は何でしょうか。大きく三つあります。

ヘチマ水が愛される3つの理由》
1、「うるおい」
ヘチマ水はお肌になじみやすく、しかもそれ自体が弱酸性。お肌との相性も抜群です。

2、「しずめる」
日焼けなどのほてりを鎮めたり、飲むと痰を切ったりと炎症を抑える働きを持っています。飲んだり、体にも使え、用途が広いのです。

3、「ながもち」
20年もつという話もあるほど、防腐効果の高いヘチマ水。長期保存の手段が無かった昔、長持ちのヘチマ水は重宝されました。

このように、腐りにくく、保湿もでき、体にもいいとなれば確かに愛されますよね。でも、ヘチマ水の魅力はこれだけではありません。近年になって、ヘチマ水がスキンケア素材に適していることが研究成果からもわかりました。

朝鮮人参の2.4倍

それは、ヘチマ水に含まれる特有の成分、ヘチマサポニンが「皮膚の細胞活性に非常に効果がある」という内容のものでした。
細胞活性において今まで最強と言われていたのは朝鮮人参のサポニンです。しかし、ヘチマ水のサポニンはその約2.4倍の細胞活性ができるということが証明されたのです。
つまりヘチマ水は、ただ保湿をするだけでなく細胞の新陳代謝を活発化し、細胞を若々しく保つことを助ける働きがあるというわけです。ヘチマ水は美白効果があるとよく言われますが、このようなメカニズムが働いていたのですね。

今見直される伝統的美容素材

最近、多くの消費者が化粧品に「機能」を求めていることもあり、有効成分の研究や化粧品と薬の中間的な位置づけにある「医薬部外品」の開発が化粧品業界で盛んに行われています。しかしそれは最新の研究である分、歴史が浅く不透明な部分は多分にあります。

一方、今回とりあげたヘチマ水は四百年の歴史があり、長年にわたって日本女性のお肌を支えてきたもの。言ってみれば、時を越えて受け継がれる伝統的な日本の美容素材というわけです。

季節の変わり目で乾燥が気になってくるこの季節。ぜひ、「伝統美容素材」ヘチマ水を存分に味わってみてくださいね。