ライター・管理栄養士 御澤 栄輔
皆さんはオーガニックに興味はありますか?
そのきっかけは何でしょう?
私はずばり『食べ物』。
食の安全や本当の美味しさを追求したらオーガニックに行き着いた方も多いのではないでしょうか?
今回は、食のオーガニックの代表でもある「有機野菜」についての話です。
50年前の5分の1?
野菜を選ぶなら栄養がたっぷりなものを選びたいところ。でもその栄養も50年前と今とでは大きく違うことはご存知でしょうか?
例えば、ほうれん草に含まれるビタミンCは、50年前の約5分の1、トマトなら2分の1に減っています。
これは大量生産や生産効率等の観点から行われた品種改良によるもの、そして畑に住む、ある生き物が消えかけていることも一つの理由と言われています。
ミミズが消えた畑
その生き物とは『ミミズ』。
あの姿が苦手な女性も多いかも知れませんが、大地の鋤(すき)と言われるぐらい重要な役割を担っています。
例えば土の中を移動する時に作る穴は、空気の通りを良くし、水を浸みこみやすくします。そして、微生物の繁殖を促すなど、栄養豊富な作物が育ちやすい環境を保ってくれるのです。しかし現代農法により畑はミミズや微生物などの生き物にとって住みにくい場所になってしまいました。
その原因が化学肥料です。
崩れたバランスの上の農業
現代農業の主流は促成栽培です。そのため畑に大量に投入されるのがリン・カリウム・窒素で構成された「化学肥料」。
一見野菜は早く大きく育ちますが、その裏で土に必要なミネラル分が不足し、有用な微生物や虫の住みにくい酸性に偏った畑へと変化しています。
そんな環境への負荷の上に成り立っている現代農法に対し、土に過剰な栄養を与えるのではなく、自然の生態系のバランスを保ちながら、微生物などの生物の働きをも活かした農法が
◎有機農法
です。
ヒトだけのものじゃない 有機農業
最近ではスーパーで有機野菜をよく見かけるようになりました。
「安全」「健康」「美味しそう」など選ぶ理由は人それぞれですが、私たちの普段の食卓の5%を有機野菜に替えてみるだけで、環境への負担がぐっと軽くなると言われています。でも、オーガニックはまだまだ「高い」「手に入りにくい」等の意見もあります。
そこで次号は「オーガニックを食す〈後編〉」として
「有機野菜をもっと楽しむ!」
をテーマにお話します。
どうぞお楽しみに!