ライター・神津まり江

昨年から、私たちの生活や取り巻く環境はがらりと変わり、世界全体が大きな変革期を迎えましたね。
そんな中、ありがたいことに私自身の心と体はふだん通りで、そのたくましさは我ながら不思議に思うほどでした。

医療や薬に頼る前に、自らできることがたくさんあると知っていること、ふだんの生活が自然のリズムに基づいていること、その2つが私を地に根付かせ、まるで植物のように、環境の変化への適応力が養われていたからではないかと思っています。

特に〝自然のリズムに基づいた生活〟は、みなさんが生活の見直しを考える際にもその土台としてとても役立つ知識なので、今回は1か月と1年、2つの自然のリズムをごく簡単にご紹介させていただきますね。

【約1か月のリズム】
一般的なカレンダーとは異なる、月の満ち欠けに基づくもの。
28〜29.5日間を1サイクルとし、女性の性周期、肌のターンオーバー周期と関係しています。

①新月期(28〜3日):排泄、浄化のピーク
②上弦期(4〜13日):心身活性、吸収力&代謝アップ
③満月期(14〜19日):心身活性、吸収力&代謝のピークからの沈静・吸収&代謝の低下
④下弦期(20〜27日):排泄、浄化の準備からピークへ

<ポイント>
新月期…老廃物が落ちやすいので、角質ケアやお風呂、サウナでのデトックスを。
上弦期…栄養価の高い食事を意識して、運動、人との交流、新しいインプットやトライを積極的に。
満月期…満月当夜は心身が高揚するので、ハメを外しすぎないよう

その後は活性から沈静への調整期間で、心身の低調期。
温めたり、消化の良いものを食べたり、循環をサポートするなどのケアをしつつ、無理せず静かにゆったり過ごします。

下弦期…徐々に心身がクリアになるので、頭の中を整理したり、アイデアとしてアウトプットしたり。
身の回りの整頓も捗ります。新しいものごとを受け入れる余白ができ、良い循環のスタートに。

また、女性は新月前後に月経が始まるサイクルだと月の影響を味方にでき、体調の把握やケアがしやすくなります

【1年のリズム】
主に日照時間の季節的な変化に基づくもので、代謝、成長、行動などを調節。季節性リズムともいわれます(日本の旧暦では二十四の気、七十二の候という素晴らしく細やかで、感性豊かな季節があります)。

:代謝アップ、免疫・自律神経の調整期
梅雨:消化器系、循環器系の機能が低下
:心身活性、代謝アップ
秋雨:消化器系、循環器系の機能が低下
:吸収力アップ、乾燥が進む
:代謝&気力の低下(冬眠)

<ポイント>
その時季に旬のものを食べることと、なるべく自然光のもとで過ごすこと、湿度や気温などの外気を肌や匂いでキャッチし、着るものの調節で適切な体温を保つことで、体の内外の環境を同調させるのが大きな柱。
また、それぞれの季節に適した過ごし方をすることが次の季節、反対の季節の養生になります。

例えば、
梅雨の時季…湿気でこもりやすい熱や水分を、ウリ類や豆類を食べ、お風呂で汗をかくなどで発散させ、風通しのいい服を身に纏う。そうすることで体力を養い、夏バテしにくい体になる。

…思いきり体を動かし、汗をかくことで代謝を高め冬に冷えにくく乾燥しにくい体を養う、というように。

自然の仕組みは、本当にうまくできていますよね。

一瞬も留まることなく、めぐり続ける自然と向き合い、結びつくことは、自分の本質と向き合い、そこに深く根差すこと。
どんな時もどっしりと構え、しなやかに寄り添う、強靭な生命力を養うこと。
内から溢れる幸福感に包まれた、本来の美しさを磨くこと

これからを見つめ直す一環として、〝自然のリズムに基づいた暮らし〟、よかったらぜひ知識を深め、実践してみてくださいね。