ライター・神津まり江
ようやく朝晩涼しくなり、ほっとするこの時季も、夏のダメージのシワ寄せで疲れが出たり、ゆううつな気分になることもありますよね。そんな時、ぜひ実践してみてほしいのが生姜を用いた手当て法です。
生姜はとても身近で、お料理に飲み物にと大活躍してくれる食材。
植物療法や漢方においても重要な生薬の1つで、風邪の予防や風邪の引き始めに飲む生姜湯が代表的です。
生姜は100℃以下で加熱すると、ジンジャロールという成分がショウガオールに変化するのですが、このショウガオールが素晴らしい。胃腸を元気にし、体を深部から温め、血流を良くし、身体&精神疲労を取り除き、気力を回復させてくれる働きをもっているのです。
そしてこの生姜湯、じつは飲むけでなく、外からのケアにも効果的。
母の営む自然療法の治療院でもよく行っていて、その気持ち良さにたいていの人は施述中、ぐっすり眠ってしまうのだそう。
■生姜湯の湿布
【用意するもの】
・生姜150グラム(すりおろす)
・水 3リットル程度
・お茶パックや布の袋など タオル4枚
・厚手のゴム手袋
・バスタオル
【手当ての仕方】
①大きなお鍋やホーローの桶などに水を入れて火にかける。
②70〜80℃くらいになったらとろ火にし、おろし生姜を入れた
お茶パックを入れて生姜湯を作る。
③ゴム手袋をしてタオルを生姜湯に浸し、そのうち2枚をやや固め
に絞る。
④四つ折りにしたタオルを軽く振り、火傷しない程度に冷ましたら
重ねてお腹にのせ、その上にバ スタオルを置いてふとんをかけ
る。
⑤冷めたらタオル を取り替え、肌が 赤くなるまで4〜8回
(10〜30分)くり返す。
⑥最後に冷たいタ オルでさっと拭 く。
時間と手間はかかりますが、やり方はとっても簡単。
時間がない時は、この生姜湯で足浴をするだけでもOKです。血行が良くなって疲れがとれ、体も心もすっきりします。
〇空腹時に行うこと
〇手当ての前後はお風呂に入らないこと
〇そして使う生姜がポイントで、生姜はできれば繊維質が多く、辛味が強い「ひね生姜」や「金時生姜」を。
手軽で保存の効く、市販の生姜粉末を利用するのも良いでしょう。
また、人によっては血流がよくなることでかゆみが出たり、辛味成分で肌がピリピリすることがあります。
敏感な方は様子を見ながら、タオルをさらに冷ましてからのせたり、時間を短めにするなど調整してみてくださいね。
生姜で疲れとゆううつを一掃して、秋晴れの空のような、清々しい心と体で過ごせますように。